一般社団法人下館青年会議所
2025 年度 第 47 代理事長 石塚 健司
【はじめに】
人は生きていく上で沢山の選択により成り立っています。朝起きて、歯を磨くか窓を開けるかお手洗いに行くか二度寝するか。たった 1 秒目覚めてこれだけでも 4 つの選択があります。人はこの判断を 1 日の生活レベルで 3,000 回から 60,000 回も選択して生きています。人生においては、選択が自己実現や成長、自己表現に重要な役割を果たします。選択を通じて自らの人生を築き、そして慎重に考え、自らの価値観や目標に基づいて行動することが大切です。その結果により、環境や人間関係にも大きな影響を与え、人の運命や人生の方向を変える可能性を秘めていると言えます。
「選択×期待」
選択を行う際には、その選択肢に対して少しの期待が伴います。期待は選択した行動や決断に対する予想や希望を表します。選択によって期待が形成され、その期待が行動や結果に影響を及ぼすことがあります。人は誰かに期待されるだけで意識が変わります。そしてその期待されているという意識を持つだけで行動が変わります。その行動の積み重ねが、更に人の意識を変え、また誰かの未来を変えていきます。
私は下館青年会議所に入会し 11 年目を迎えます。今までに出会った先輩方やメンバーのみんなにたくさんの機会の提供を与えていただき、大切にしてきました。そんな機会を与えてくれたときには自分ではこの機会の提供のありがたさが何のことかわかりませんでした。他にもたくさんのメンバーがいる中で声をかけてくれた仲間からの期待に応えたい。私に声をかけてくれたからには、その方を 1 年間支えてやろうと只々がむしゃらに役職を受けた記憶があります。もちろん中にはこんな役職自分には出来っこないと思ったこともたくさんあります。役を受け JC 活動をしている中で、何のためにこんなこと毎日やっているんだろうと思ったこともあります。そんな時でも乗り越えることが出来たことを振り返ると、自分の為というよりは誰かのために動いてきたと思いだします。また裏を返せば私自身もメンバーのみんなや家族、会社の理解があり、支えがあったからこそ活動出来ていたことを感謝しなければなりません。たくさんの期待と支援の積み重ねにより、自分の現在の姿や状況に大きな影響を与えていただきました。他者からのほんの少しの期待や支援に感謝し、明るい豊かな社会の実現に向け、自分を信じ、仲間を信じ、多くの挑戦の機会を手にしていくことが下館青年会議所の成長につながり、地域の発展に寄与することとなると確信しております。思いっきり楽しみながら、みんなで成長していける様、新たな道を切り開いていきましょう。
【50 周年に向けた会員拡大と人財育成】
皆さんが JC に入会当初の動機や目的は何でしょうか。私は東京から地元に戻って家業に就いたばかりでした。会社から JC に入る様命じられ、最初は「仕事に繋がればいいかな」「知り合いが増えればいいかな」程度のものでした。入会当時、先輩方からの頼まれたタスクをこなし、事業に参加し、少しずつ JC 運動に取り組むようになりました。いつの間にか、誰かの役に立ちたい、まちをより良いものにしたいと少しずつ価値観が変わっていったことを覚えています。
会員拡大する上で「地域をより良いものにしたい」、「あなたにより良い変化をもたらしたい」という強い想いが根底になくてはなりません。そのためにはJCの理念をしっかり理解し、わかりやすい形で言語化し、それを共有していくことが大切であります。理念に共感でき、「入会したくなる組織」そしてJCを「したくなる組織」にしてまいります。JCの使命として、「青年が社会により良い変化をもたらすためにリーダーシップの開発と成長の機会を提供する」とあります。JCは単年度制であり毎年役職が変化し、特定の地位や立場に影響されず、コミュニケーション能力を通じて発揮される肯定的な影響力が求められています。JCの運動やその姿勢が周りに影響を与え、常に自己研鑽をし、自らの可能性を広げ、常に新しいことに挑戦することで成長を継続していきます。また、次世代を担うリーダとは、「ひと」を巻き込み、「組織」を巻き込み、地域を巻き込んでいくと考えます。その中でも「ひと」を巻き込むには相手を思いやる気持ちが大切です。相手を理解し、相手のために心を痛めるという愛情によって自己中心性を制御し、謙遜心を持つことで「相手のためにありたい」という動機が生まれます。この思いやりを持つ人間性にあふれる人財を輩出することが必要であります。だからこそ「ひとはひとによって磨かれる」のです。
【地域への愛着を多くの方々へ】
筑西市・桜川市では人口減少問題が課題とされ、人口減少は地域社会全体に様々な影響を与える問題であり、地域の活性化や持続可能な発展に影響を及ぼす可能性があります。JCI Mission に「社会により良い変化もたらす」こと、そして「リーダーシップの開発と成長の機会を提供する」ことが定義されています。運動を展開することで地域に発展と成長の機会を提供するプラットフォームとしての役割があります。筑西市・桜川市の魅力について過去の歴史を振り返るとくの市民に愛され、長く行われてきたものが多く存在します。既存の地域の魅力や資源を活かし、地域の方々を巻き込む新たな視点が求められ、課題に対する運動を展開していく必要があります。地域への愛着をいかにもっていただくかを考えた運動を展開していきます。
地域の魅力を活かし、人々が集まる楽しい場所をつくることで、愛着を持つ人が増えると考えます。まちづくりには、地域の歴史や文化、自然環境を活かしたイベントや施設の整備、地域の特産品や食文化の振興など、さまざまな取り組みが必要です。地域の住民や企業、行政、地域外からの訪問者など、多くの方々が協力し合い、地域全体で愛着を持てるまちづくりを目指していきましょう。
【利他の精神を学ぶ青少年育成】
子どもたちが持つ純粋さや成長の過程で見られる驚異的な変化や成長は周囲の人々に感動や希望を与え社会全体にポジティブな影響をもたらすと考えられております。日常生活では得られないような様々な体験できる機会を提供することで、子どもたちは様々な経験をしていきます。この経験が将来を考えるにあたり重要な材料になっていきます。そして、このまちに生きる者として受け継がれてきた自然と文化、人と人をつないできた想い、地域の一員として誇りと共に次世代に伝えていくことが大切です。他人を尊重し、他人を思いやる利他の精神を持った子どもたちが成長することで、社会全体がより豊かで温かい場所になると信じています。社会貢献や他者への思いやりを育むために、子どもたちの教育においては、他者を尊重し助け合うことの大切さを教えることが必要です。利他の精神を学ぶためには、まずは自分自身が他者への思いやりを持つことが大切であり、他者の立場や感情に共感し、協力や助け合いの大切さを理解することが必要です。利他の精神を重視した青少年の育成に貢献していく運動を展開していきます。
【下館青年会議所の輝きの根底】
私たちの団体は、「下館青年会議所」という名のとおり、会議を行うことによって、はじめて運動や活動を行うことができます。会議なくして、私たちの運動や活動はあり得ません。下館青年会議所における会議の開催、運営を司る部門であり、私たちの運動や活動の全てを支える根底であると考えます。そして、厳正で充実した会議を行い、法令や青年会議所内のルールを順守して適切かつ公正妥当な運用を行うことで、私たちの運動や活動はまちの人々から支持され、社会的信用を得ることができます。単年度制でありながら、組織としての一体性、連続性が確保され、安定した組織運営につながります。下館青年会議所が設立から 47 年にわたり、どのような困難なときも歩みと止めることなく運動を展開してきた背景には、先輩諸氏が築かれてきた伝統への尊重と規律の遵守があるのです。限られた時間内に充実した会議を行うため、工夫を講じると共に、会議中の一刻は全員で共有しうる貴重な時間であるとの意識をさらに高め、質の高い会議設営を行います。そこから生み出される効果の高い事業と会員一人ひとりが能動的に活動できる環境の構築を後押しする体制が確立されることで、より効率的な組織運営につなげることができます。また、情報共有を行い、各委員会と密に連携をとり横のつながりを強固なものとするだけでなく、組織の活動に積極的に関与することで、個々のメンバーが組織の一員としての誇りを感じることができ各種事業への参加参画意識を高めることで、組織の結束力はより高まると考えます。
【むすびに】
我々が社会の一員として生きていく上で、自分自身の幸せだけでなく、他人や社会全体の幸せを考える利他の精神は非常に重要です。利他の精神は、共同体の結束を強め、社会全体の調和や繁栄を促進します。個々の行動においても、社会全体の発展においても、中心的な役割を果たしています。人が利他的な行動を心がけることで、社会全体がより良い方向へと進むことが期待できます。利他の精神を大切にし、それを行動に移すことが、我々一人一人が社会の一員として果たすべき責任であると強調したいと思います。その精神が、より良い未来を創出するための大きな力となることを信じています。下館青年会議所が永続的に地域に必要とされる組織になるために、我々は学び続け、成長していかなければなりません。共に学び、共に成長し、地域に貢献していきましょう。筑西市・桜川市がどうあるべきかをみんなで考えて行動していくことで、この地域を明るい豊かなまちにしていきます。
メンバー全員で心をひとつにすることで、これからの JC 運動の活力となります。メンバーの活力を向上することで「未来の JAYCEE」を育て、50 周年に向かって走っていきましょう。青年会議所は会議体の団体であり、一定のプロセスが非常に重要であります。また青年会議所の本質は「やるかやらないか」と考えます。プロセスと本質はバランスが重要であり、プロセスを通じて本質を大切にしながら進めることで物事をより良い方向に導くでしょう。
コンクリートは歩きやすいが砂浜は歩きにくい。だけど、足跡が残るのはさて、どっちだろう。大変な道ほど、その過程は必ず誰かが見てくれています。この一年間自分を信じて挑戦していきましょう。次世代へつなぐ使命として。