理事長所信

公益社団法人 下館青年会議所
2020年度理事長 堀江 大雄

《はじめに》
 なぜ青年会議所があるのか。私は入会当初、まちが栄えていれば青年会議所が無くても良いのではないかと思ったことがあります。
 しかし、それは違いました。「なぜやるのか、何のためにやるのか、相手に何を持ち帰ってもらうのか。 本当にそれで良いのか。」青年会議所(以下、JC)メンバーは仕事では同業種のライバルにも関わらず正面から問いかけ、語り合い、そして行動して応えます。仲間のために腹を割り、常に本質を語り合い、 助け合い、苦楽を熱く分かち合う。自身にも周りにも発展・成長する機会を楽しみながら与えてくれるJC はどんな時代でも、どんな経済状況でも必要な組織であると思います。
 この目まぐるしく変動する時代に、明るい豊かな社会の実現に向けて本質と多様性を求めるJCに所属していることはとても貴重なことだと思います。入会を決断したのは皆さん自身です。JCに希望や可能性、そして情熱を感じたからだと思います。私は鉄骨溶接などの仕事をしており鍛冶屋に近い仕事もします。鍛冶屋から伝わる「鉄は熱いうちに打て」という言葉があります。熱いうちに叩いて冷やして、それを幾度も繰り返して形と質を変え、より強いものになっていきます。しかし叩くものが冷めていては質を変えられません。
 人も似ていると思います。英知と勇気と情熱があれば必ず人は変わることができ、それが社会のより良い変化に繋がると私は信じます。

“Try not to become a man of success but rather to become a man of value.”
“成功者になろうとするのではなく、むしろ価値のある人間になろうとしなさい。”

– アルベルト・アインシュタイン –

《新たな仲間は更なる成長に繋がる》
 私は入会するまで自分がまちに必要とされていると思ったことは無く、自分の会社も誇りを持って仕事をするだけでまちにはさほど関係ないと思っていました。2014年に下館JCに入会し「まちづくりはひと づくり」という言葉、いえ言霊を聴きました。そして多くの先輩に背中を魅せられ、仲間達と多くを語り、更に多くの行動を共にさせて頂きました。語りつくせない経験をさせて頂き、今では自分でその言葉を伝えています。
 JC運動はボランティア活動やイベントを行うことが目的の団体ではありません。単年度制の中で様々な事業や会議を行いその経験を己の糧にし、仲間と共に切磋琢磨し、青年経済人として学んだことを会社に活かすことができるJCは主導力変革運動であると同時に、主導力をつけた人財を地域に増やすという社会変革運動でもあります。
 下館JCに入会して腹を割って語り合い共に行動すれば、本当の仲間と呼べる友ができ、一緒に成長することが約束されます。また青年経済人の集まりですので、ビジネスパートナーとして新たな可能性に繋がります。ひとの成長に自身の成長が必ずついてくるこんな素晴らしい組織に入会を勧めない理由はありません。
 人は人によって磨かれます。みんなで仲間を増やし成長し続けましょう。

《公益事業》
 今日では地球規模の環境汚染、自然災害、飢餓問題、差別問題など様々なことが起こっています。それらを解決するための目標として2015年に国際連合のサミットでSDGs(Sustainable Development Goals)が採択されました。SDGsのように社会を良くするための行動が求められています。また、筑西市、桜川市は2040年までの消滅可能性都市に選ばれています。これら地域社会の課題に取り組み、まちを変化させ続けるJC運動は地域に必要であります。
 下館JCは公益社団法人として地域社会の発展に寄与するために様々な公益事業を展開しています。公益認定基準を満たす条件として「公益目的事業比率が総支出の50%以上」を満たし、透明性のある財政運営と明瞭な事業計画書・報告書等の情報開示やガバナンス強化が必要とされます。そのための運営には計画書の予算一つ一つを確認して適切に管理し、事業参加人数分岐点の危機管理などをして各委員会と連携することで財政の安定構築に努めます。そして報告書の確認も担当委員会と共に行っていきます。また事業利点としては公益事業に対しての税制優遇措置等があります。
 胸を張り、自分達の成長やまちの発展を楽しみながら運動していきましょう。

《まちづくり》
 若いうちは自分の趣味や恋愛、仕事に一所懸命であると思います。入会するまで私自身はまちづくりには興味がありませんでした。ですがどこかのまちには住んでいる「まちの当事者」なのです。良い企業や良い団体には経営者とは別にその組織のことを考えてくれる人がいます。まちも同様に当事者意識のある人が多ければまちはより良くなり、その意識変革運動と機会を提供することが我々の使命であります。我々の年代は粗削りであると同時に直向きな情熱と多くの可能性を秘めています。だからこそ青年のうちに今までにない知識をつけ、行動をすることで経験を得て粗削りな部分に得たものを堆積させて大きく変化していきましょう。
 近年の情報化社会と人口、個人商店・企業の減少に伴う行動範囲の広域化によって、まちの課題も一つの市だけのものではなく隣接する広い地域で取り組まなければならないものになってきました。2020年も地域の課題解決に向けた事業を筑西市・桜川市と協働開催したいと思います。またターゲットを若者に向けることで新たな課題抽出と、行政に提言書を出し自分達の声が届けられるという希望を持た せることで当事者意識の醸成に繋げていきたいと思います。
 また我々は多くの異業種が集まる団体であり、様々な目線と知識、そして経験が集まっています。「打つ手は無限」実業家、滝口長太郎氏の言葉です。私はこの言葉を知りJCの仲間達と共に一人では成し得ない様々な壁を乗り越えることができました。これからも我々がやるべきことを見つけ出し、我々にしかできないことを様々な手法で発信して地域を引っ張っていきたいと思います。

《こどもは地域の宝》 いつの時代もどこの国でも未来を担う子どもたちは家庭だけではなく地域の宝であります。様々な教育がありますが学校や家庭とは違うJCが胸を張って言える教育は体験であり、体験は人生の宝であると思います。違う学校の他学年の人と過ごすことで生まれる緊張感と協調性、自分の住む地域に対する郷土愛や道徳心などを子どもたちと共に育ませて頂き、子どもも大人も笑顔を忘れずに活動しよう。
 夏祭り子ども神輿体験事業は地域最大の伝統行事である下館祇園祭の町内子ども神輿を町内の方と参加した子どもたちが触れ合い、一緒になって汗をかいて神輿を担ぎ、郷土愛を育みます。今年で20年目になる自慢の継続事業であります。夏休み中に行うサマーキャンプ事業では参加者が毎年100 人を超えるためメンバー一丸となって行います。夏休みという子どもたちにとって宝物の時間を我々にしかできない大きなプレゼントにしてあげたいと思います。「楽しくなければJCじゃない」下館JCに受け継がれるこの言葉を2020年も喜んで引継ぎ、メンバーと共に笑顔でJC運動をしていきたいと思います。
 JCでは利他の精神を教えて頂きました。腹を割り、本質を語り合って切磋琢磨できる仲間がいます。参加した子どもたちにも事業の体験だけでは勿体無いです。休憩中に子ども同士で話しているか、メンバーが声を掛けて話したり即興遊びなどのコミュニケーションを取るということを気にしてあげましょう。感受性豊かな子どもたちはいくらでも成長することができます。楽しかったことや嬉しかったこと、頼りにしたり頼りにされたこと等は必ず良い思い出に残りますし、その子達が同じことをやってくれたならば嬉しいではありませんか。その気遣いは必ず自身の成長にも繋がります。人を動かす3Tの法則(サンタの法則)というものがあります。「楽しいこと」「頼りになること」「ためになること」の3つの頭文字のTです。これを誰かに何らかの形で与えるということを気にして活動してみましょう。きっとあなたの何かがプラスになっていると思います。子どもも大人も互いに磨き合えるJC共育運動をしましょう。

《SDGsは自分事》
 2015年9月に、ニューヨーク国連本部において、国連持続可能な開発サミットが開催され、我々の世界を変革する持続可能な開発のための、2030アジェンダが採択されました。この目標が17のゴールと169のターゲットから構成されております。国連に加盟している193の国と地域が2030年を期限に達成を目指すもので、これが持続可能な開発目標SDGsです。そして昨年、日本青年会議所の総会において「SDGs宣言」が可決承認され改めて、青年会議所はSDGsを日本一推進する団体となりました。それに伴い茨城ブロック協議会においても昨年からSDGsの推進運動が各地会員会議所で行われ始めました。社会が変わらなければならない、「だからこそ」JCがSDGsを推進するのです。
 17のゴールを「5つのP」にカテゴリー分けした考えが世界で広められています。

PEOPLE:全ての人に包摂的かつ公平で持続可能な水・食料・健康・衛生・教育・農業を開発する。
PROSPERITY: 持続可能な環境と技術・経済の豊かさを達成しよう 。
PLANET: 地球環境を守ろう。
PEACE: 平和無くしては成し得ない。
PARTNERSHIP: パートナーシップを結び足並みを揃えて。

 戦後日本は高度経済成長、そしてバブル崩壊、経済の長期停滞を経て様々な政策を打ち出してきました。また近年では人類が地球、環境、気候、生態系に及ぼした影響は計り知れないものとなり、様々な自然災害が世界規模で起こっています。戦争や経済に対するものは人間が人間に対して行うものです。しかし後者の環境、気候、生態系問題の殆どは人間が地球に対して悪影響を及ぼしたものです。技術・経済発展の結果であり、直接関わったという人は少ないと思いますが、飢餓や飲み水問題が残る国でも子どもがスマートフォンを持っているなど、その技術によって生み出されたものを利用している人は多く、間接的には世界中の殆どの人間が関わっています。地球環境はもはや技術だけで解決できるものではありません。日常の習慣的なもの、あるいは常識が変わらなければならない、つまり世界規模で社会が変わらなければならないのです。「だからこそ」JCが様々な課題と共にSDGsを推進する必要があるので す。

《様々なステージが用意されている》
 JCは地元だけではなく、LOMから出向したメンバーで形成される更に大きなステージがあります。茨城県内で構成される茨城ブロック協議会や関東地区協議会、日本青年会議所、APDC、JCIと世界中にまでも繋がる事ができるグローバルネットワークがあります。
 毎年1月に開催される京都会議では日本全国のJCメンバーが京都に集結し、日本青年会議所の会頭の所信を聴き、組織のベクトルを合わせて足並みを揃えて全国一斉に歩き出します。日本中の青年経済人が自分や企業が変わるため、仲間に変化をもたらすため、社会を変えるために。それぞれのステ ージが地域だけでは得られない出会いと可能性に溢れています。
 毎年茨城ブロック協議会等には多くのメンバーを輩出させて頂いておりますが、昨年は茨城ブロック協議会会長として石塚勝君と日本青年会議所の副委員長として齋藤聡君を輩出させて頂きました。本人はもちろん周りのメンバーもいつも以上に色々な機会がありましたが、単に忙しいわけではありませんでした。携わったメンバーは様々な気付きと広いエリアで仲間が得られ切磋琢磨することができました。また一番身近な茨城ブロック協議会では運営することの大変さと重要性、各メンバーに対する感謝の気持ちを再認識致すると共に茨城県に対する郷土愛を育むことができました。出向を決めてくれたお二人に敬意を払うと共に様々な角度で支えて下さった先輩諸氏と現役メンバーの皆様に感謝申し上げます。
 本年度も多くの機会を主導的に、そして楽しみながら学んで頂きたいと思います。

《結びに》
 私は熱くて想いやりのある歌詞を書き続けるアーティストの甲本ヒロトが大好きです。

“言いたいことは言う。 その時は心を込めて言う” - 甲本 ヒロト -

JAYCEEとしてこの言葉を少し変えて皆様に伝えさせて頂きます。

“言うべきことは言う。 その時は心を込めて言う”        

本質を大切にすることを話し合い、そして伝えていきましょう。
 失敗を恐れないで下さい。仮にそのようなことが起こっても糧にできるならばJCに入って良かったと思います。人生としてプラスになるはずです。それにはやはり仲間が必要なのです。挫けたら立てば良い、立てなければ仲間が立たせてあげましょう。お互いに。それが人として大切なことだと思います。
 毎月、毎年事業はあれども内容と思いは違います。ひとの「感受性」を高め、大切にしていきましょう。感受性が高ければ様々な事を様々な角度から見られ、多くを吸収して自分の器を広げることができると思います。
 JCは認め合う団体であると思います。例えば、後から入会した年上のひとでも、先に入会をしている年下のひとは先輩になります。先輩としてJCのことをいろいろと伝える立場になります。しかし歴が全てではありません。前者は人生の先輩でもあります。年齢や職業に関係なく普段の自分にはない役を演じて運動することで器を拡げることが出来ます。拡げたものを自身の背中として魅せる。その背中を魅たものが自己研鑽をする。本質を語り合いお互いを認め合いながら。つまり健全なるガバナンスと個人を尊重しながら切磋琢磨し合うことが大切であると思います。 一人ひとりがJAYCEEとして下館の歴史と誇り、そして血潮を受け継いでより高く、より熱く、より硬く積み上げられるように邁進して参ります。